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7月ケン・ウィルバー研究会参 - 考資料要旨

7月ケン・ウィルバー研究会
参考資料要旨

Sean Esbjörn-Hargens and Michael E. Zimmerman (2009). An Overview of Integral Ecology: A Comprehensive Approach to Today’s Complex Planetary Issues. Available at: http://integrallife.com/files/Integral_Ecology_3-2-2009.pdf

今日、エコロジーは研究領域として多数のアプローチを内包する学問に成長している(著者によれば、200以上のアプローチが存在するという)。しかし、それらの多様なアプローチは、しばしば、自らの独自性を既存のアプローチと過剰に対峙することをとおして規定しようとするために、アプローチ間に距離と障壁を生じさせている。こうした状況は必然的に関係者(例:研究者・実践者・教育者)に大きな混乱をもたらしている。

今世紀における人類の最大の重要・緊急の課題であるエコロジーに建設的にとりくむうえで、今、こうした混乱を解決するためのフレイムワークが必要とされている。インテグラル・エコロジー(Integral Ecology)は、多様なアプローチがそれぞれ独自の重要な価値を有するものであることを認識しながら、それらを「現実的・実務的」(“pragmatic”)な形態で相互に関連づけるためのメタ理論と機能する。

具体的には、Integral Ecologyにおいては、下記の事項が留意される:
• 観察主体(who)
• 観察方法(how)
• 観察対象(what)

また、Integral Ecologyは下記の形態を採ることができる:
• Disciplinary approach
• Multidisciplinary approach
• Interdisciplinary approach
• Transdisciplinary approach

詳細については、Zachary Stein (2007). Modeling the Demands of Interdisciplinarity: Toward a Framework for Evaluating Interdisciplinary Endeavors. Available at: http://integral-review.org/documents/Stein,%20Modeling%20the%20Demands%20of%20Interdisciplinarity%204,%202007.pdf を参照いただきたい。

AQAL

Integral Ecologyはケン・ウィルバー(Ken Wilber)の提唱する「四象限・四領域」(the Four Quadrants)を使用する。各領域は観察主体が用いる4つの視点(perspective)である。尚、インテグラル・エコロジーにおいては、観察主体としては、人間のみならず、生態系の生物・植物が想定される。

インテグラル・エコロジーにおいて、AQALの各領域は下記のように説明される:
• UL:意図(主観)……経験の領域
• LL:文化(間主観)……文化の領域
• UR:行動(客観)……行動の領域
• LR:社会(間客観)……システムの領域

200+ perspectives

エコロジー問題という本質的に非常に複雑な問題にとりくむときに、可能な限り多くの視点を考慮することが重要となる。排除された視点は、「構想」や「計画」に歪みをもたらすだけでなく、また、認知・統合されることを要求して、しばしば様々な機能不全として顕在化することになる。

こうした危機を回避するために重要となるのがIntegral Methodological Pluralism(IMP)である。これは、AQALを合計8つの領域に分割して、各領域を機軸とする方法論を包括的に採用することを可能とする。IMPを貫く法則には下記の3つが存在する:
• Inclusion:複数の視点と方法を公平に尊重・活用する
• Enfoldment:複数の視点・方法をとおして開示された情報を優先順位付けする
• Enactment:「現実」(reality)というものが認知主体の認知活動をとおして認識されるものであることを認識する

これらの法則は、総体として、「現実」というものが、観察者が具体的な観察の方法を用いて世界・自然の特定の部分・領域を観察することをとおして「生成」(enact)されるものであることを認識する。換言すれば、「現実」とは“who”・“how”・“what”という要素が相互に関連するなかで形成されるものであるといえるのである。

IMPにもとづいて構築された構想や計画は、実際の活動段階においては、関係者(利害関係者)にコミュニケートされることになるが、そのときに、それぞれの「世界観」、あるいは、「行動論理」が考慮され、それに合致したかたちに包装されることが必要となる。

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